口に甘いは腹に毒


 助けに期待をしちゃいけないね。

 守ってもらうばっかりじゃなくて、自分でも戦わないと……っ!

 男の顔が近付いてきた瞬間、頭を振りかぶる。


 ──ゴツンッ!!



「い゛っ……!?」



 強烈な頭突きを食らわせた。

 頭に響く、骨が割れそうなほど大きな音。チカチカと視界に火花が散った。

 脳がぐわんと揺れ、意識を手放しそうになる。


 まだだ、まだだめ。

 ……負けない!


 もう一度、首に力を込めて。



「そう簡単に、食べられてやるもんかあっ……!」



 ガツン! 顎に頭をぶつけた。恐怖に滲んだ男の顔が仰け反る。

 逃げるなら今だ……っ。


 ふらふら立ち上がり、ドアノブに手をかける。

 あ、どうしよ、力が入んない……。

 頭もぼーっとしてきて、目も開けてられないかも。