「怒ってないんですか!? 料理を美味しくないって言ったこととか……!」
「私の料理が不味いのは当たり前なのよ! 適当だし、味見もできないんだから! 玉露も平気で食べるから誰も指摘する人がいなくて逆にありがたかったわよ!」
「えええっ!?」
じゃあ全部、わたしの思い込みだったんだ……!?
緊張の糸が解ける。座席の背もたれに深く体を預けると、心が一つ軽くなった気がした。
「……話し合うのって大事よね。玉露も、苹果ちゃんと離れたいわけがないと思うのよ」
「そうだったらいいですけど……」
ぶつかってかわされても、ぶつかる前に逃げられても。
もう怖がらない。



