口に甘いは腹に毒


 待つこと数分。

 前方からガチャリとドアの開く音がして。


 マスクをした玉露くんのお母さんが現れた。



「いつ帰るのか、玉露に聞いてあげてもいいわ」

「ほっ、ほんとですか……!?」

「ただし」



 ぴしゃりと冷たく遮られる。



「フォークに食べられてもいいなんて、冗談でも言わないで」



 こんなにまっすぐ見つめられたのは久しぶりだ。

 真剣な眼差しに少しだけ怯んでしまった。



「その言葉は玉露がしてきた我慢を一瞬で無駄にするってこと、理解して。苹果ちゃんが玉露を大事に思ってくれているならね」

「……はい、すみません」

「苹果ちゃんには自分のことを一番に考えてほしいの。これからは自衛もできるようになってもらわないと、玉露と一緒にいるのを許可できないわ」