口に甘いは腹に毒


 ……え、あ。

 無理して褒めてくれてたんだ……。


 最後の一押しが来たと思った。

 テーブルの上へ、ぽたりと水滴が落ちる。

 視界が歪んで何も見えない。


 バカだな、わたし。

 味の好みは人それぞれなんだから、剣先輩に評価されたって意味ないじゃん。


 一度決壊したものは、もう……。



「……そ、そうだよね、数日練習しただけのわたしが玉露くんの舌を納得させられるとか、傲慢、だし」

「違うよ。何を食べても僕は美味しくないって言う」


「……、……わたしが、嫌になったから……?」

「それも違う」


「……わからないから、はっきり言ってほしい……」



 玉露くんもいちいち言いたくないよね。

 いつもごめん。