家のドアを勢いよく開けた私は、
靴を揃えることもなく部屋に行き、
ローテーブルの前に座ると、鞄から
紙袋に入った小さな箱を取り出した。
お店の中だったから感情をなるべく
抑えて出さないようにしてた
けど‥‥‥どうしよう‥‥‥
今更ながら‥‥‥嬉しい‥‥‥。
両手でそれを抱き抱えると、
両目から涙が溢れ出す
筒井さんにとっては、
傘を貸したことへの
ただのお礼かもしれないけど、
初めて好きになった人から
プレゼントなんて貰えたのだ。
本当に夢見たい‥‥‥
涙をティッシュで拭うと、
テーブルの上に箱を置き、解くのも
勿体無い可愛いリボンを丁寧に解いて
いく。
開けるのにも手が震え、心臓も
破裂しそうなくらいバクバクと煩い
「あ‥‥‥嘘‥‥ネックレス?
‥‥可愛い‥‥‥」
紙袋に折り畳まれた小さなカードが
入っていたのでそれを広げて読むと、
直筆でメッセージが書かれていて
また涙が出てしまった。
--------------------------------------------
就職のお祝いもかねて傘のお礼です。
心優しい井崎さんなら素敵な社会人に
なれますね。
お名前と就職内定のことはマスターに
聞きました。いつも丁寧な接客を
ありがとうございます。
筒井 滉一
--------------------------------------------
筒井 滉一‥さん‥‥
マスターがいつの間に私のことを
筒井さんに話していたのか
分からないけど、
大切な人に名前を覚えて貰い、そして
大切な人の名前を知ることが出来た。
細いチェーンの真ん中に
小さな可愛い宝石がついていて、
それを壊さないように手に取る
もしもアルバイト最後の日に、
筒井さんがお店に珈琲を飲みにきたら、
その日はきっと失恋する日に
なってしまうけれど、自分の
想いをきちんと伝えよう。
こんな私に優しくしてくださったから、
学生最後の区切りと、約3年による
片思いにケジメをつけてから
新しい世界に踏み出したい
このネックレスが
似合う大人になるために‥‥
靴を揃えることもなく部屋に行き、
ローテーブルの前に座ると、鞄から
紙袋に入った小さな箱を取り出した。
お店の中だったから感情をなるべく
抑えて出さないようにしてた
けど‥‥‥どうしよう‥‥‥
今更ながら‥‥‥嬉しい‥‥‥。
両手でそれを抱き抱えると、
両目から涙が溢れ出す
筒井さんにとっては、
傘を貸したことへの
ただのお礼かもしれないけど、
初めて好きになった人から
プレゼントなんて貰えたのだ。
本当に夢見たい‥‥‥
涙をティッシュで拭うと、
テーブルの上に箱を置き、解くのも
勿体無い可愛いリボンを丁寧に解いて
いく。
開けるのにも手が震え、心臓も
破裂しそうなくらいバクバクと煩い
「あ‥‥‥嘘‥‥ネックレス?
‥‥可愛い‥‥‥」
紙袋に折り畳まれた小さなカードが
入っていたのでそれを広げて読むと、
直筆でメッセージが書かれていて
また涙が出てしまった。
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就職のお祝いもかねて傘のお礼です。
心優しい井崎さんなら素敵な社会人に
なれますね。
お名前と就職内定のことはマスターに
聞きました。いつも丁寧な接客を
ありがとうございます。
筒井 滉一
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筒井 滉一‥さん‥‥
マスターがいつの間に私のことを
筒井さんに話していたのか
分からないけど、
大切な人に名前を覚えて貰い、そして
大切な人の名前を知ることが出来た。
細いチェーンの真ん中に
小さな可愛い宝石がついていて、
それを壊さないように手に取る
もしもアルバイト最後の日に、
筒井さんがお店に珈琲を飲みにきたら、
その日はきっと失恋する日に
なってしまうけれど、自分の
想いをきちんと伝えよう。
こんな私に優しくしてくださったから、
学生最後の区切りと、約3年による
片思いにケジメをつけてから
新しい世界に踏み出したい
このネックレスが
似合う大人になるために‥‥



