当然だけれど、受験には落ちた。

 以来、家に引きこもってばかりの堕落的な生活を送っている。かろうじて滑り止めで受かった高校にも、入学式以外、ろくに行っていない。

 あげくの果て、一体、いつまで過去のことを引きずっているんだと、お父さんには呆れられてしまう始末。

 自分でも嫌気が差した。

 なんで生きてるだけで、こんなに苦しいの? そもそも私が生きてること自体、もう無駄なんじゃないの?

 答えのない自問。まるで、底のない穴に落ちていくような気分だった。



そんなある日のことだった。家の窓から流れ星を見たのは。

 まばゆいひとすじの光が、(あお)くグラデーションのかかった夜空を駆け抜ける。ほんのわずか一瞬で消えてしまったそれに、私はおのずと願っていた。

 ――こんな窮屈な世界なんか捨てて、自由になりたい。誰か、私を連れ出して。一人で逃げる勇気なんてないから。