「このように、新入生の皆さんには我が白雪学園で豊かな心と、、、」
「ふぁ、、、ねむぅ」
「ちょ、結愛!寝ちゃダメ!」
入学式が始まり一時間。
中学生になっても校長先生の話が長いのは同じなんだね。
もう30分ぐらい喋ってない?
眠くなってくる、、、
昨日入学式への期待と緊張であんまり眠れなかったせいか、少しずつ眠りの世界に、、、
そんな中、透き通った綺麗な声が体育館に響いた。
「新入生の皆さんこんにちは、生徒会長の夜霧 想です」
え、、、?
さっきまで眠かったのが嘘のように眠気が飛び、
クリアになった頭の中で何度も同じ声が再生された。
【新入生の皆さんこんにちは、生徒会長の夜霧 想です】
ハッとして舞台の方を見ると、いつの間にか校長先生の話は終わり
さっきまで校長先生が居た場所には深くまで帽子を被り、マスクをした男の人が立っていた。
あれが生徒会長、、、?
私と彼は初対面なはず、、、なのに何故か見たことがある気がした。
彼の水のように透き通った綺麗な声に聞き覚えがある気がした。
思い出そうと考え込んでいる内に、彼は話を終え舞台から降りていってしまう。
そんな彼を見つめていると、彼もこっちを見た。
目があって、彼はフワリと優しい微笑みを浮かべる。
「キャーーー♡」
「きゃ〜〜〜〜!」
「ギャ〜〜〜♡♡♡」
女子の黄色い悲鳴が体育館に響き渡る。
ほんの一瞬。
本当に一瞬、目があっただけ。
それなのに、深い穴の底へ落っこちていくような感覚がした。


