残念すぎるイケメンが、今日も今日とて私を溺愛する。

「今日も素敵ですね」

「そりゃどうも」

「本当に可愛らしい。舐めてもいいですか?」


──── 『ナメテモイイデスカ?』


「……は?」

「まずは爪先からっ……グハァッ!?」


しゃがんで私の足に触れようとする西嶋に、私は容赦なくかかと落としをカマした。


「やめて。マジで気持ち悪い」

「ハハッ。照れないでくださいよ。僕まで恥ずかしくなっちゃう」

「照れてねぇよ」

「何を仰いますか」


それは!!こっちの!!セリフだよ!!


「はぁぁーー」


ほんっっと疲れる。

この残念すぎるイケメンなんとかなんない?


「そんな深いため息をついて、一体どうしたんです?」


何食わぬ顔で立ち上がって、“どうしてため息なんてついてんの?”的な感じで私を凝視している西嶋。


「それ本気で言ってるなら道徳学び直せ」

「ハハッ。藍里さんは本当に面白いなぁ。可愛い」


私の頭を撫でようとしてくる西嶋の手を振り払って部屋から出ると、『相変わらずツンツンしてますね~。いやぁ、可愛いが過ぎますよ、本当に』とか言いながら私に付いてきた。


「西嶋」

「はい。何でしょうか」

「私のことがそんなにも可愛い?」