残念すぎるイケメンが、今日も今日とて私を溺愛する。

「別に、そういうことじゃなくて。だいたいなんで私の居場所がっ……」

「心配なんですよ。他の男に取られないか、他の男に目移りしないか」


私の頬を撫でて、優しい瞳で見つめてくる西嶋の声が、どこか不安そうだった。


「馬鹿じゃないの」


そう言うと、私の両頬をグニュグニュつねってきた西嶋。


「いひゃいわ(痛いわ)!!」


ベチンッとその手を振り払うと、優しく微笑んで私を見下ろしている。


「……ねえ、藍里さん。あの日の約束、覚えてます?」


──── あの日の約束……?


西嶋と約束なんてしてたっけ?


「ああ、流しそうめんね」

「……ハイ?」

「今年の夏はみんなで流しそうめんしよって約束したじゃん」


去年みんなとやる予定だったのに抗争が起きて、何故か西嶋と2人で流しそうめんやる羽目になったから。


「藍里さんの世話役になって間もない頃、組員の結婚式へ行ったのは覚えてます?」


──── その言葉にドキッと胸が弾む。


忘れもしない、あの日のことは。

忘れるはずがない。


だって私が──── 西嶋を好きになった日だから。


あの話、西嶋は今でも覚えてるってこと?