残念すぎるイケメンが、今日も今日とて私を溺愛する。

「なんの騒ぎ~?」

「さあ?」


私と玲於奈は同時に更衣室を出て、その騒ぎの元凶を目の当たりにすることになる。


────── は?


「もぉ、置いてくなんて酷いなぁ。藍里」


──── 『藍里』……?


呼び捨て?あの西嶋が私のことを呼び捨て?

ふざけて『藍里ちゃ~ん』とかはあったけど、呼び捨てされたことなんてあったっけ……って、そんなことはどうでもいい。

なんでお前がここに居んのよ!!


「え、小柳さんの知り合い?」

「こんなイケメンと知り合いなんて、小柳ちゃん羨ましい~」

「それな」


クラスの子達も集まってきてしまった。

・・・・これ、マジでどうすんの。

幸い男子はまだ気付いていない。パラソルを組み立てるのに必死になっている。

さて、どうする……この状況!!


「西嶋っ……」

「『楓君』っていつも通り呼んでよ~」


呼んでねーし、呼んだこともねーだろうがよ!!


「……"楓君"。なんで居るのかな?ここに」

「そりゃ来るでしょ~。心配なんだもん」


今のコイツを無理矢理でも褒めろと言われたら、ラッシュガードをちゃんと着てることくらいかな。西嶋、ガッツリ墨入ってるし。


「なにも心配することなんて無いから帰って?」