残念すぎるイケメンが、今日も今日とて私を溺愛する。

「そうですか、すみません。では、昼食の準備してきますね」

「うん。ありがとう」

「いえいえ」


西嶋はきっと、私の嘘なんてすぐに見抜いてしまう。

去り際に私の頭を撫でた西嶋が、どんな表情をしていたのかは分からない。

ちょっとした罪悪感はあるけど、これは仕方ないと自分に言い聞かせた。


──── クラスの子達と海水浴場へ行く当日。


西嶋にバレないかソワソワしていたここ数日。

私は警戒しつつ部屋から出て、西嶋の居場所を把握するために、コソコソしながら家の中を徘徊した。


「あれ……いない?」

「どうしたんすか、お嬢」

「ああ、雲野さん。西嶋って何処にいるか知ってる?」

「あーー、楓なら朝食の後どっか行きましたよ」


めっっちゃラッキー!!というか、すんごくタイミングいいじゃん。


「そっか。ありがとう」

「暇だったら俺と出掛けます?」


きっと気を遣ってくれてるんだろうな、雲野さん。


「ありがとう、雲野さん。今日はちょっと予定があって……また今度」

「そうすか。じゃ」


気だるそうに去っていく雲野さん……を呑気に眺めている場合ではない。

いつ西嶋が戻ってくるか分かんないから、さっさと家から離れなくっちゃ。