大会の熱気が冷めやらぬ会場を後にする。
別れ際にさやか先輩にSNSアカウントを教えてもらった。

『やっぱりダンスが好きだから、たまに踊ってるんだ。』

さやか先輩は働きながら、地元のイベントに参加しているらしい。

出来ることで前に進んでいた。



それなら、私はっ…!



「みやび!」



大声で名前を叫ばれる。
大会会場から少し歩いた広くは無い道。
皆が最寄り駅まで歩いているから、狭めの道にしては人が多い。

一斉に私に視線が向く。


そんな中、私の視界に入ってきたのは…





"みやびも、前に進めるよ"


さやか先輩が別れ際にくれた言葉が脳裏に木霊する。



誰1人かけていなかった、かつての仲間達が私に駆け寄ってくる。

道幅を埋めてしまうほどの人数だ。

すっと多人数が道の隅による。



真凜が皆を代表するかのように1歩前に出る。

衣装に上着を羽織った程度の格好。
私を追いかけて、急いできてくれたんだろう。


「…」


少しの沈黙。

その中、誰かがクスッと笑いだし、その直後、



「うわぁっ!えっ!?」



真凜が私に抱きついてきた。
耳元で大泣きする声が聞こえる。

私の目線の先では、皆が笑っている、泣いている。