唯都くんは『運命の番』を溺愛したい


 甘い声に導かれるように視線を上げる。

 愛おしい人を見つめるような熱のこもった彼の瞳と視線が絡み、心臓がとろけそうになる。



 「オメガの急所にはまだ印せない愛の証を、琉乃ちゃんの唇に刻みつけてもいい?」

 

 私は『はい』とも『いいえ』とも答えない。

 頷くことも、首を横に振ることもしない。


 変わりたいと思うから。

 愛をもらうだけじゃなく、与えられる人間になりたいから。

 そのために一歩踏み出さなきゃ。



 「私から唯都様に愛を刻ませてください」
 

 恥ずかしさをこらえながらの熱望。

 驚いたように目を見開いた唯都様が、おっとりと微笑んだ。


 「いいよ」


 彼の声がはちみつみたいに甘くてお月さまのように優しくて、心が幸福で満たされていく。

 
 「大好きです、唯都様」


 私はかかとを精一杯あげ、抱えきれない恋心を唯都様の唇に刻み付けたのでした。







 ☆唯都様は運命の番を溺愛したい☆

    唯都&琉乃

   HAPPY END

   2024・9・24

   甘沼 恋 (ぬまこ)