唯都くんは『運命の番』を溺愛したい



 『私なんかじゃ、あまねさんの代わりは務まりません』



 力不足を謝ろう、二度と唯都様の前に現れないよにしよう。

 

 でも……



 唯都様と一緒にいたい。

 私なんかが唯都様の瞳に映るだけで、おこがましいとわかってはいる。



 でも……



 離れたくない。
 
 この幸せが消えないで欲しい。



 愛されたい。

 選ばれたい。

 (つがい)になりたい。

 

 でも……


 



 湧き出たいろんな感情を、私は処理しきれない。

 ただただ車の前で立ち尽くしてしまう。



 唯都様の前から一生消え続ける決意が決められなくて、胸が痛みだし、涙がこみあげてきた時だった。

 私の両ほほが、唯都様の手のひらに包まれたのは。