唯都くんは『運命の番』を溺愛したい


 目を見開いた私の脳内に、ひらがな3文字が浮かんだ。



 【あ・ま・ね】




 
 そうだった。

 唯都様の大好きな女性は、幼なじみのあまねさんだけだった。

 それなのに私は、なにを勘違いしちゃったんだろう。



 私は天国にいる彼女の代わり。

 唯都様に愛されてはいない。

 それを理解して納得したうえで唯都様のそばにいると、私自身が選んだはず。




 それなのに、愛されていると錯覚してしまった。

 抱きしめ返してしまった。

 唯都様の体温に包まれていた時間が、幸福すぎたんだ。



 ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……




 突然襲われた、後悔と罪悪感。

 なんてことをしてしまったんだと、顔から血の気がひいていく。