唯都くんは『運命の番』を溺愛したい



 『たけるくんママは琉乃の悪口を言ったけど、たけるくんなんて昨日、えみりちゃんのクレヨンを奪って投げたんだよ。

 ひさしくんは先生が見てないところで、琉乃の髪を引っ張ぱるし。

 しずかちゃんなんか、すぐお部屋からいなくなっちゃう。先生が絵本読みますよって言うと、つまんなからイヤって。戻ってくるまで絵本読んでもらえなくて。みんな困ってるわ。
 
 琉乃より京子ちゃんの方が笑ってない。しゃべりかけてもプイッとしてくるもん!』



 理亜ちゃんはママたちの子供の幼稚園での様子を、機関銃のようにわめき散らすと



 『たける君ママたちが琉乃の悪口を言った! すっごく酷いことを言って琉乃を泣かせた! 幼稚園の先生にも園長先生にも警察にも言いつけてやるんだから!』



 大人たちにあっかんべー。

 私の手を引っ張り、公園から私を逃がしてくれたんだ。




 嬉しかった。

 私のために大人に怒鳴ってくれたことが。

 でもその想いは言葉にできなくて。

 大粒の涙をボロボロボロ。

 私は歩みを進めることしかできなくて。