幼稚園の時。
まだ理亜ちゃんと仲良し姉妹だった頃のこと。
公園の木の陰で私は泣いてきた。
太い幹に隠れるようにしゃがみ込んで。
小さな手で必死に耳をふさいで。
それでも私の耳には流れ込んできたんだ。
友達のママ4人組の悪意ある声が。
『うちの子が言うには、琉乃ちゃんっていつも幼稚園で一人なんですって』
私の話だ。
『すっごく暗い子みたいよ。お姉ちゃんの理亜ちゃんは、誰にでも話かける明るい子なのにね』
『私が琉乃ちゃんの親だったら、友達の輪の中に自分から入りなさいって、尻をひっぱたいてやるわよ』
『あの家、どんな育て方してるんだろうって感じしない?』
『神楽さんとこ、料理屋の経営でお父さんもお母さんも忙しそうだし。しつけなんてしてないじゃない?』
『無責任な親っているよね。幼稚園一緒でうちの子に被害来るんだから、ちゃんとしてほしいわ』
いつの間にか悪口は、私の両親のことに移っていた。
私のせいだ……
私ができの悪い子だから、パパとママも悪く言われちゃうんだ……



