唯都くんは『運命の番』を溺愛したい


 「……双子って生きにくいね」



 私は遠い目をしてぼそり。

 理亜ちゃんに長年抱いていた黒い憎しみが、温かみのある桜色に染まっていくのがわかる。



 「なに泣きそうな顔で笑ってんのよ! あんたこの状況わかってる? 私たちこのままじゃ売り飛ばされるの! 私まで巻き込まれるなんて聞いてない! マジ最悪、あの男死ねって感じ!」



 負の感情の荒波が、さざ波くらいに落ち着いた私とは正反対。

 理亜ちゃんはまるで、怒りをまとった台風だ。



 秒ごとに怒りの勢力を強め

 「許せない! 私は金持ちアルファと結婚するの! 誰より幸せになるの! 絶対に!」

 怒りを足に込め、ドアを思い切り蹴っている。



 髪を振り乱しながら暴れる理亜ちゃんを見ていたら、なんだか涙がこぼれてきちゃった。

 なんでこんな大事な記憶、今まで忘れていたんだろうって。



 宝物だった。

 ずっと心のアルバムに焼き付けておきたいって、思っていたはずだった。

 何度も何度も思い出しては、理亜ちゃんに感謝したはずなのに……