唯都くんは『運命の番』を溺愛したい


 立ち上がった理亜ちゃんが、怒りで我を忘れたイノシシに見える。

 一直線にドアに向かって突進。

 手を後ろで縛られたまま体当たり。

 それでもドアは開かない、びくともしない。


 そんな無慈悲なドアに向かって理亜ちゃんは

「ここから出しなさいよ! 戻ってきなさいよ! 私が神楽家を継いだらね、あんたなんか地獄に蹴落としてやるんだから!」

 何度も肩をドアにぶつけて。

 蹴りまで入れて。



 しばらくして力尽きたようだ。

 まるで生きる気力まで失ったかのよう。

 「……もうダメだ」

 ドアに体をこすりつけながら、しゃがみ込んでしまった。