唯都くんは『運命の番』を溺愛したい


 「ちょっと、待ちなさいよ!」と、理亜ちゃんが立ち上がった。

 慌てて走り出すも、絡まる細い足。

 指同士が後ろで縛られていて、バランスが取りづらかったんだろう。

 走り出して早々にふらつきバタリ。

 理亜ちゃんは顔面から床に倒れこんでしまった。



 お腹と顔の肉を揺らしなら、男はドアノブに手をかける。

 身長よりもはるかに高いドアが開き、閉まり、男はこのチャペルから消え去ってしまった。




 ガチャリと重厚な音が耳にはりついた。

 ごくりとつばを飲み込んだのは、外からカギがかけられたんだと失望したから。

 この部屋、唯一の出口なのに。



 敗北感で膝が震える。

 オメガオークションで売られる未来が簡単に想像できてしまうから、怖くて、唯都様のことも理亜ちゃんのことも気がかりで。