この男に情というものはないのか。
金銭欲が底なしなのか。
「傲慢で高飛車なアルファ女を好きな変わり者もこの世にはいる。派手顔の姉も高値で売れそうだな」
蓄えたお腹の脂肪を揺らし、クククと気持ち悪く笑っていて。
この男に媚びてもムダだ。
そう気づいた理亜ちゃんの瞳に、赤い怒りが灯っている。
「きみが妹を地獄に突き落としてと欲しいとお願いしに来た時に、ひらめいたんだよ。あっそっか、双子姉妹の両方を売れば手取りが増えるのかって」
「なんですって」
「ぬるい世界で育ってきたんだな、お金持ちのお嬢様は。他人を危ない目にあわせるときは、自分も地獄に落ちる覚悟が必要だ。生きる上で覚えておいた方がいい。中年のお兄さんからのありがたい教えだと心にとめて、売られた先でも強く生きて欲しい」
「……っ」



