これは冴ちゃんに見せた涙と全く違う。
うれし涙じゃない。
悲しみ、怒り、絶望。
人として捨てたい闇感情だけが溶け合った、負の涙だ。
私は嫌だ、このまま売られるなんて。
絶対に受けいれたくはない。
冴ちゃんに会いたい。
学校の友達とおしゃべりがしたい。
エンラダの歌が聞きたい。
そしてなによりも、大好きな唯都様の笑顔が見たい。
唯都様が愛しているのは、亡くなったあまねさんだってわかってる。
あまねさんの代わりでも、私はかまわない。
私を見て、私だけを愛して。
そんなワガママは言わないから。
身代わりという天命を受け入れるから。
神様お願いします、唯都様のそばにいさせてください。



