唯都くんは『運命の番』を溺愛したい



 男は自分に酔いしれているような顔で、両手を広げて歩き出した。

 謎を解く名探偵のよう。

 目を細め拳をあごに当て、狭い範囲を行ったり来たり。


 「特殊体質のオメガが手に入るって言われた。だから神楽家の借金を肩代わりする約束をした。それなのにきみの両親は酷いよ。娘を売り飛ばす先を、別の男性に変えたいって言ってきた。先に買い取る約束をしたのは俺なのに」



 待って待って、言ってる意味がよくわからない。



 「私が……オメガ?」


 「そう、きみは飼育型オメガ」


 「なに……それ……」


 「アルファに可愛がられないと発情しない希少種」


 「そんなはずは……」


 「きみの両親はそのことを知った時、きみを外出させないように家じゅうの家事をやらせよと決めたって言ってたな」