唯都くんは『運命の番』を溺愛したい



 意識が遠のきそうになった、その時だった。


 「なに勝手に、俺の商品にキズをつけてるんだ!」


 雷のような罵声とともに、理亜ちゃんが祭壇の方に吹っ飛んでいったのは。



 私は解放された。

 ケホケホとのどの違和感を吐き出しながら、視線を長い髪の姉に向ける。

 お腹を押さえながら、床に倒れこんでいる理亜ちゃん。

 痛みが激しすぎるのか「あぁぁぁ!」とうなりながら床をのたうち回っていて、痛々しくて見ていられない。



 「ククク」と片側の口角だけをあげて笑った男性は、お腹に蓄えた脂肪をつぶしながら私の前にしゃがみ込んだ。

 床にお尻を預けたまま、私はビクビク震える瞳を彼に向ける。



 「あーあ、こんな目立つとこに締め跡がついちゃったか」



 美しいとは言えない指でねっとりとなぞられた首筋。

 こみあげてきた気持ち悪さと一緒に、口の中に苦い胃液が広がる。