唯都くんは『運命の番』を溺愛したい


 俺たちは運命の番だ。

 だから琉乃ちゃんは、一生俺を好きでいてくれると思い込んでいた。

 死ぬまで愛される自信すらあった。



 琉乃ちゃんが俺に『好き』と伝えてくれたことがある。

 でもあの時の言葉は、恋とは関係ない想いだったのかもしれない。

 推しアイドルに対する、偶像崇拝的な好きだったとしたら……

 

 顔から血の気が引いていく。

 消え失せる自信。

 嫌だ、嫌われるのは。

 大切な人を失うかもしれない恐怖に、震えがおさまらない。

 俺は車のシートに座ったまま、頭を抱えこんだ。



 我流の言う通り、俺の存在が琉乃ちゃんにとっての呪いで……

 借金の肩代わりをした俺の隣で笑っていなければと、義務感を抱いていたとしたら……

 あの時の天禰のように、恩を返さなきゃと壊れてしまったら……