「アイドルになりたい夢を叶えてくれた芸能事務所への恩を、アマネは必死に返そうとした。歌番組でアマネが発情したのは事務所のせいなのに、あいつ、ずっと俺らに言ってたよな? 全部自分せい。事務所にこれ以上迷惑が掛からないように、自分でなんとかしなきゃって」
まるで、こみあげてきた悲しみと怒りを握りつぶすよう。
我流は唇を噛みしめ、拳を震わせている。
プライドが高すぎる我流がわかりやすく弱っている姿を見るのが痛々しくて、俺は顔に手のひらを押し当てた。
我流は幼なじみの死を、今も受け入れられなくて辛いんだろう。
それは俺も同じだ。
罪悪感に襲われる日々は死ぬまで続くと覚悟してはいるが、耐えきれる自信があるかと聞かれたら首を縦には振れない。
俺は天禰の心を救ってあげられなかった。
炎が燃えさかる地獄に突き落としてしまった。



