唯都くんは『運命の番』を溺愛したい



 迷いなく言い切られた。

 正論というハンマーで殴られたような衝撃に、脳が揺れる。

 理解に努めようと思考がフル回転するもダメで、頭が割れるように痛んでしまう。



 俺は琉乃ちゃんを追い詰めているのか? 

 そんなはずはない。

 俺は愛を注いでいるだけなんだから。

 


 我流を黙らせたい。

 俺と琉乃ちゃんの未来は大丈夫だって、この男に認めさせたい。


 ただ……

 闇の感情が騒ぎ出し、どうしても返す言葉が見つからない。

 


 「……そう……だったろ?」



 え? 今の泣きそうな声は……


 我流の震え声に悲しみが込められているような気がして、ハッとなり顔を上げる。



 「そうだったろ?……アマネも……」



 もうこの世界にいない幼なじみの名をこぼした我流に、視線を向けずにはいられない。