唯都くんは『運命の番』を溺愛したい



 骨ばった肘を腹にくらい、一瞬思考が止まった。



 「同類とは言った覚えはない。髪型とか雰囲気とか他人想いなところとか、似ているところがあるって意味なだけで」


 「まさにそれ」


 「え?」


 「自分軸じゃなくて他人軸で生きてる奴がオマエと恋愛ごとで絡むと、危険でしかないって言ってんの」


 「……どういう……意味?」



 これこそ本当に理解できないのに、胸のあたりが勝手にうずいて息苦しい。

 喉が潰されたように声が出ない。



 「自分の気持ちを押し殺してまで他人を思いやれる奴ってのは、もらった恩を返さないと自分が悪いことをしていると錯覚をおこす」


 「……」


 「もっと返さなきゃもっともっとって自分を追い込むが、返しきれない。その結果、罪悪感にさいなまれて自分を責めまくるんだ」


 「……」


 「じゃああの女の場合、借金の肩代わりをしたオマエにどう接しようとするか。自分を犠牲にしてでもオマエに尽くしまくる。それ一択」