神楽琉乃は、唯都様の想い人の身代わりでしかない。
私を通して天国のあまねさんを愛している唯都様のことが、残酷な男に思えてしまう。
心が引き裂かれるように痛むのは、唯都様を深く愛してしまった証拠なんだろう。
彼と過ごす時間が増えるたび、笑いかけてもらった思い出が募るたび、唯都様の特別になりたい気持ちがあふれてしまう。
どうしようもなくて。
自分じゃ恋心を鎮められなくて。
辛くて辛くて……
天禰さんぽく笑わなきゃと義務感から口角を無理やり上げてみたけれど、他の表情筋が動かない。
心のバケツが泥水で満水だ。
今にも闇の感情がこぼれてしまいそうになる。
私があまねさんを演じれば、唯都様の心が救えるんだ。
最愛の人を亡くした悲しみを、癒してあげられるんだ。



