簡単に怒りの導火線に火がついちゃうんだな、幼なじみ同士って。
止めたいけれど私は唯都様に抱きしめられたままだし。
それに部外者が割って入っちゃいけない空気が、ピリピリって。
「我流、早くステージから出て行ってくれない?」
「っん、な? は? オマエまじで言ってる?」
「琉乃ちゃんの体温が心地よすぎなの。首の後ろの匂いを嗅ぐと天国に行けそう」
ひゃっ、くすぐったい。
首筋に鼻がしらをこすりつけないでください!
「だ・か・ら、待つの限界で迎えに来てやったんだけど、この我流様が直々に」
「だからお疲れさまって」
「そろそろ外に……」
「コンサートホールの支配人さん、気のすむまでここにいていいって言ってくれたよ」
「物事には限度ってもんがなぁ! ……痛ったぁ、自分の怒鳴り声浴びて耳がキーンてなったわ。鼓膜死ぬんだけど」
「今度の我流の誕プレは、高級耳栓にしてあげる」
「嫌みか! 高級焼肉連れてけ! ほら行くぞ、アマネのとこ!」



