唯都くんは『運命の番』を溺愛したい



 返答に困る私は、我流くんの目に不審者っぽく映ったんだろう。


 「この女の素性、本当に大丈夫なのか?」


 疑ぐり深い目で、上から下までねっとりと確認された。



 「童顔でおとなしそうに振舞ってるけど、実は御曹司アルファアイドルをたぶらかす小悪魔ってことも……」


 「我流!」



 唯都様が声を荒らげたのは、私に絡む我流くんの視線が気にいらなかったからみたい。

 ほっぺに空気を詰め込んで、真横から私を抱きしめギュー。


 「アルファのくせにオメガを嗅ぎわけられない役立たずの鼻をもって、ご愁傷さま」


 我流君に向かって、シッシと手で追い払っている。



 もちろん我流くんは黙っていない。

 額の血管がブチブチブチ。

 
 「今までオメガフェロモンを嗅ぎとれたことがなかったのは、お前の方だろーが!」

 
 戦闘モード突入?

 鼻息を荒らしながら、長い袖を肘までまくり上げだした。