唯都くんは『運命の番』を溺愛したい

 
 

 「つーかさ、空き地ライブでオマエが網で捕まえた時も思ったけど、この女オメガじゃなくね? フェロモン、全く嗅ぎとれねーし」


 
 我流くんの釣り気味の目が、さらに鋭さを増す。

 ウソを許さんとばかりに私をギロリ。

 その通りです、ベータですと言いたくないのは、唯都様を傷つけたくないから。

 

 大好きな人が亡くなった悲しみを抱えている唯都様のために、私ができること。

 それはあまねさんの代わりとして、ポニーテールを揺らしながら微笑むくらい。



 だから私は覚悟を決めたんだ。

 私をオメガだと思い込むことで唯都様の心の平穏が保てるのなら、自分を偽ろうって。



 ただ……


 【本当の私をちゃんと見て欲しい】


 心底に眠る本心は、たまにうずきだしてしまうけれど。