唯都くんは『運命の番』を溺愛したい


 「ひゃっ!」



 恥ずかしさに襲われた。

 時間差で肩とポニーテールが跳ねる。

 手で口元を覆い視線を床に逃がしたのは、赤面まちがいなしの顔を見られたくなかったから。



 ささささ……さっき……

 我流くんが現れる直前のこと。



 後ろから抱きしめられながら、キス待ちをしちゃったんだ、私。



 唯都様の甘さに溺れたいな……

 なんて思って目まで閉じちゃった。



 ……うっ、恥ずかしすぎ。

 体がほてってきちゃった。

 顔が焦げちゃいそう。

 

 「でも我流、ボールを投げつけるのはどうかと思うよ」



 唯都様が我流くんの方を向きなおした。

 今のうちに顔面を消火しないと。

 バクバクの心臓も平常に戻さないと。

 手うちわで顔をパタパタと仰いでみるけれど、手に疲労がたまるだけ。