危機が去ったからか、今になって感情が高揚してきた。
目の前にいるのは、間違いなく国を代表するトップアイドル二人なんだ。
アイドル同士のケンカ混じりのワチャワチャ。
こんな特等席で拝めるなんて、感激すぎて自分の存在を消したくなっちゃう。
二人の世界を邪魔しないように、口を結んでおかなきゃ。
「ったく、俺様を待たせるなんて独裁主義の魔王なのか、唯都は」
我流くんは呆れたように首の後ろをかいているけれど、唯都様は正反対。
嬉しさを噛みしめているような、ご満悦スマイルをこぼしている。
「アハハ、最上級のほめ言葉をどうも」
「最上級のディスだろーが!」
「フフフ、照れ吠えしなくてもいいのに」
「んあぁぁぁ、もう! 唯都が彼女を改めて紹介したいっつーから、楽屋で待っててやったんだ。なのにいつまでたっても来やしねーし」



