持っていた刀を床に投げ、敵意を手放したように両手を顔で広げている、細マッチョのワイルドイケメンは……
エンジェルラダーの我流くん?
よかった、危ない人じゃない。
緊張が漏れ出すようにため息がこぼれる。
ただ、ピリついた空気はステージ上に漂ったまま。
唯都様の顔には、まだ怒りがにじんでいるみたいなんだけど……
「殺意ギラギラでボールを投げつけられたら、誰だって警戒する」
「唯都、機嫌直せって。こんなダチ喧嘩、毎度のことじゃねーか」
「今は俺一人じゃない。琉乃ちゃんがいる」
笑みを一切浮かべない怒り顔の唯都様は、なんだか別人みたいで怖い。
「姫を守るナイト気どり、ウザっ」
「些細なことですぐにキレる。怒りがおさまるまで他人無視で暴れ散らす。誰かを傷つけたと我流が気づくのは、いつも流血騒ぎの後。そんなキミが刀を担いで現れたら、誰だって警報レベルで警戒するでしょ」
「だからって幼なじみに剣先向けるか、普通」
「さすがに今回のは俺も騙されたんだよ。見分けがつきにくいから、演技で殺気たてるのやめて欲しいんだけど」



