唯都くんは『運命の番』を溺愛したい



 こぶしを握り締め、私は覚悟の頷きをしずめる。

 恐怖で震える足を引きずりながら、彼の前に出た。



 「こっ、こは私に任せて……ゆゆっ唯都様は早く逃げてください……」




 恐怖でうわずってしまった声。

 でも推しを守りたい気持ちは本物。




 「唯都様、早く」




 唯都様の前で両手を広げるも、騎士の役目を全うさせてもらえない。

 腕を引っぱられ、体がふらつき、頬がたどり着いたのは唯都様の胸元で。



「姫を守るのは王子の役目」



 片腕で剣を敵に向ける唯都様に、強く抱きしめられて



 「俺を守ろうとしてくれて、ありがとう」



 心の底から喜んでいるのがわかる甘い笑顔をこぼされたから、危険な状況なのにキュンとときめいてしまいました。




 「危ないから俺の後ろに隠れていて」


 「でっ、でも……」


 「琉乃ちゃんが傷つけられた時点で、相手の急所にこの刀を突き刺してしまうかもしれない。俺を殺人犯にしたくないなら従って、お願いだから」