唯都くんは『運命の番』を溺愛したい


 本日二回目のお姫様抱っこ状態。

 見上げると、緊張で表情筋を吊り上げた唯都様の勇ましい顔がある。



 「いきなりごめんね」

 

 私をステージに下ろしてくれた唯都様は、緊張の糸を張ったまま。

 前に進み、前方にいる何かから私を守るように片腕を伸ばした。



 彼の鋭い眼光は、前方の暗いステージ袖に刺さっているみたい。

 でも私は後ろを確認せずにはいられない。

 頭上を越えた弾丸の正体が知りたくて。

 

 床に落ちているものに視点が定まる。

 白いそれは、ソフトテニス部が使っているボールだった。



 硬式テニスの黄色いボールよりはるかに柔らかいとはいえ、豪速球のボールを食らっていたら脳しんとうを起こして倒れていたに違いない。


 恐怖がつま先から駆けあがってきて、つばをごくりと喉の奥に押し込む。