唯都くんは『運命の番』を溺愛したい


 でもこの行動が、アルファ様のハートをさらに惑わせてしまったみたい。



 「自分で自分を傷つけないで」



 背後から伸びる親指がとらえたのは、私の下唇。



 「この痛みを快楽で消してあげる」



 頬に添えられた手で、ゆっくりと顔だけを後ろを向かされて



 「俺に愛された時間が、琉乃ちゃんの宝物になりますように」



 さっきまで、肉食獣っぽく息を荒らげてた人と同一人物だなんて思えない。



 「大好きだよ」



 はちみつみたいなトロットロな瞳で、優しく微笑んでくれたから


 「大好きです……私も……」


 恥ずかしさと戦いながらも、自分の想いを吐息に溶かしてしまいました。




 私はあまねさんの代わり。


 唯都様の愛のささやきは、すべて天禰さんに向けられたもの。


 残酷な現実を受け止めたうえで。

 
 うっすらと悲しみの涙を浮かべながら。