唯都くんは『運命の番』を溺愛したい




 なんか私まで変だ。

 首だけじゃなく頭にまで熱が回ってきたみたい。

 今はあまねさんがどうとかベータがどうとか考えられない。

 体中の五感が彼の甘さにおぼれていたいと浮きだっていて、どうしても鎮められなくて。



 「濃くなった、琉乃ちゃんのフェロモン」



 そんなはずは……

 なんて軽い言葉で、この甘い雰囲気を壊したくない。

 つばをのみこみ、だんまりをきめこんだ。



 ほんとどうしちゃったんだろう、私の体は。

 唯都様より私の方が、呼吸が乱れている気がする。たぶんそう。



 はぁはぁと肩を震わす弱った私を、唯都様は檻に閉じ込めるように捕らえていて。

 腕を緩めたり逃がしたりはしてくれなくて。


 形のいい唇を、私の首横の肌の薄い部分に押し当ててきたから


 「……っ、うっ」


 くすぐったさがこらえきれなくなった私から、変な声がもれてしまった。



 はしたない声だった。

 恥ずかしい声だった。

 羞恥心を駆り立てるように鼓膜の上でその声が跳ね続けているから、照れで心臓がギューッとしぼみ痛んでしまう。