普段の優しさに満ちた唯都様じゃない。
エンラダメンバーを笑顔で闇に突き落とす魔王様モードの時よりも、野獣っぽいと言うか危険ぽいというか。
唯都様は、白いひもを歯で噛みながら引っ張っていて。
ほどけた布がはらり、ステージに向かって落ちた。
唯都様の吐息が耳をかすめた直後だった。
私の首を覆っていたものがなくなったことを理解したのは。
戸惑い揺れる瞳で床に落ちた白いレースのチョーカーを見つめ、自分に言い聞かせる。
大丈夫、私はオメガじゃない、普通人間のベータ。
首は急所じゃないし、噛まれたとしても痛みが走るだけ。
唯都様と番うことなんてありえない。
だから焦る必要は全くなくて……
ただ……



