唯都くんは『運命の番』を溺愛したい



 刀が走れないようにブレーキをかけているのは、私を後ろから包み込んだ状態で刀を握る唯都様ご本人で間違いない。



 「えっと……あの……」



 状況を確認したくて、私は首をゆっくり後方に。

 まだ30度くらいしかひねっていないのに、私の顔が急ブレーキをかけた。

 瞳にうつる映像が衝撃すぎという、それだけの理由で。



 「見ないで……欲しいんだけど……」



 えええ、急にどうしたのですか?

 表情を読み取られないようにか、私と反対の腕に頬を押し当てている唯都様。



 「俺の顔……真っ赤すぎ……でしょ?」



 はい、耳まで真っ赤です。

 なんて言えなかったのは、明らかに体調が悪そうだから。



 本当にどうしちゃったんだろう?

 湧き出る不安が私の視線を唯都様に誘導して、彼に見入ってしまい、彼から目が離せなくて。



 まるで高熱に浮かされているよう。

 唯都様の瞳がとろんとしている。



 呼吸も荒々しい。

 刀を掲げる彼の腕が私の顔の真横で震えているから、緊急病的案件なのかもしれない。