唯都くんは『運命の番』を溺愛したい


 「右手と左手の間に隙間ができてるね。くっつけようか」


 「……はい」



 私の耳横に唯都様の美顔が


 私の手の上に唯都様のお手てが



 「こう……ですか?」


 「もう少し脇をしめて。そう、琉乃ちゃん上手」



 甘く紡がれた私の名前が、魅惑めいたの吐息とともに耳をなめる。



 刀を握る私の手に重ねられている、唯都様の手。



 「右足を一歩出しながら、刀を頭の上に掲げて」



 彼の胸板が私の背中にぎゅっと押し当てられ、極度のドキドキで刀を持つ手が震えだした。

 心拍の乱れが半端ない。

 唯都様の手が(つか)を握る私の手を包み込んでいなかったら、私は脱力して刀を落としてるんじゃないかな。




 「刀を下に振りおろすよ」


 「はい」



 言われた通り振り下ろそうしてみた。

 手にも腕にもぎゅっと力を込め、下に下にって。



 でも刀が空を斬れない。

 腕の自由が奪われている。

 刀はまだ私の頭上に。



 えっと、、、なぜ?