私には、好きな同級生がいる。
それは、クラスでよく目立っていて、みんなから好かれている、南川颯斗君だ。幼稚園の時から幼なじみで可愛らしいところがよく見られるから、好きなんだ。
今は、クラスが違うからあまり話さないけど、今日の放課後に会う約束をしている。もちろん、告白する気満々だ。セリフは、何日も前から考えてきた。でも、本番に弱いタイプだから、たぶん、頭が空っぽになって何も言えないと思う。今も、南川君が気になって授業に集中できてない。
　ホームルームが終わり、 今日は部活もないから 、 すぐに 約束の場所に急いだ。 すると 、 南川君と同じタイミングで 約束の場所に着いた。
「 みっ、み、南川君。今日はこんな時間に呼び出しちゃってごめんね。」
「 今日は部活がないし、 大丈夫だよ。 そういえば何か話があるんだよね。」
「 あっ。 うん。 そうなの。単刀直入に言うね。 私、 南川君のことが好きなの。 あの 、 つっ、 付き合ってほしい。 」
さっきまでの様な速い返答はなかった｡それから、10分ほどの時間がたった。
きっ、気まずい！
「ご、ごめんね。そんな風に思ってもらえるのはとっても嬉しいんだけど、僕には、付き合ってる人がいるからそれは無理かな。」
そんなこと、知らなかった。 南川君のことは好きだけど、南川君がそういう思いなら、尊重してあげた方が良いよね。私はそう、自分に言い聞かせた。
「私の方こそごめんね。自分のことしか考えてなかったよ。南川君のその思い、私は尊重するよ。」
「うん。ありがとう。家で 部活の練習したいから、また明日、学校で。」
「うん！今日はありがとう。」
南川君は帰っていった。