天使ちゃんの片想い。




 ニナは人様たちをかき分けて、精一杯だった。


 「ウル!ウル!!」


 ゼーハー、と息をたくさん吐きながら、青年の前に立った。


 でも、そこにはすでにいなかった。


 どこに行ったのかと、探し始めた。


 一人が嫌いなのに、一人になりたい。…そんな言葉を思い出して、ニナは四苦八苦し始めた。


 もっと、早く、速く。


 …考えるべきだったの。


 ニナは、涙した。