「でもね、俺、まだ大丈夫なんだ。こうやって天見に話せているから、きっと」 ニナは答えなかった。 そして少し時間が経った。 「でもね」 ウルが口を開いた。 「俺、我慢の限界がきたら、どうしよう」 ウルが、小さく、呟いた。 寒い風が吹きそうになった。 「わたしがいるよ」 「また、何処にそんな根拠が」 その時、ニナはいなかった。