今度は時間は経たなかった。 「天見って、不思議だよね。なんか、何でも話せそうになるから困る」 「そう、なの?」 うん、とウルが頷いた。 「俺、本当はこの学校に来る予定じゃなかったんだ」 遠くを見ながら、ウルは言った。 「海外に移されるところだった。誰にも見えないところで、本当に一人にされそうになったんだ、笑えるよな」 笑えない、ニナはそう思った。