「ならわからないよ、俺のことなんて」 ウルはニナとは違う方向に顔をやって、ため息を着くまでもなく、暗くなっていった。 「それでも聞くよ」 やっと言えた。ニナはそう思った。 「あのね、天見さん。俺は兄弟が5人いるの。その長男。わかる?」 「わかんない…」 「だよね」 そう言って、ウルはため息を着いた。