「わからなくなったの」 ニナが、人様と言葉を交わした瞬間だった。 「どこに行きたいの?」 真ん中の女の子を筆頭に、各々が話し始めた。 「どのブランドだろ」 「この子の系統だと…」 「あの洋服とか似合いそう」 「そもそもファッションビルに用あるの」 「この子大人しいね」 それぞれが言うものだから、余計にわからなくなった。