ハルサメレオンの春

 演技なのか、アイドルとしての意地なのか…本質なのかもわからない言葉たちに、動揺の余地もなかった。

 返す言葉を探すことも厄介になるくらい。



 ミューの心は荒れているように見えた。



 「ねえ、レオン君」



 私はレオン君にどう見えてるの、そう言いながら、抱きついてきそうな勢いで、口付けをする。

 …素振りをして、俺の肩に手を回し、抱きついてきた。



 「レオン君みたいな人、ミューにぴったりなの。ねえ、わかってよ!」

 「いや…」



 今まで仕事以外で女の子と抱擁をしたことのない俺は、うろたえ始めた。動揺…

 ミューのミディアムヘアーの髪が顔にかかる。甘ったるい、ヘアケアの香料が鼻を通っていく。