ハルサメレオンの春

 「いやあ、ああいった全国放送の場所で必要以上には…」



 俺も世話が焼けていた。

 どんどん大きくなるミューの態度に、機嫌取りも良いところで、困り果ててきていた。



 「だからだよ!いいじゃないの!ミューはレオンくんと一緒にいるところアピールしたいんだから」



 涙目で訴えかけられても…ミューは、楽屋の外を気にする素振りもなかった。

 俺は気が気じゃなくて、扉の外を気にしては目をやっては、ミューを通り越してテーブルに置いてある飲料水に目を置いた。



 「ミューちゃん、恋人は、ドラマの中だけにしよう。撮影所ではしょうがないとしても」



 俺は冷静に、至って冷静に。



 「どうして…どうしてわからないの。こんなにミューが恋をしちゃっているのに」